ちぇるのの総譜ができるまで

オリジナル楽曲 作成秘話置き場です.

Op.4 母さん 【作成秘話】

こんにちは,こんばんは.そして初めまして.

ルーキーボカロP,ちぇるの (CHerNO3) です.

 

現状は,感情を乗せたオーケストラPOPを目標にしています.

 

 

 

今回の曲は,「無色透名祭2」に参加するために作った曲です.

 

イベント詳細はこちらから.(開催・2023年11月2日~5日まで)

site.nicovideo.jp

 

 この曲は,初めてボカコレに参加した今年の春にはすでに歌詞が完成していた曲......なんだけれど,無色透名祭という匿名の場で出したほうがいいんじゃないかと思い,そこまでとっておいた曲.

 結果としては,ボカコレのほうがよかったかなと思うところもあるのだけれど......これに関してはまた別のところで述べるとします.

 

Full ver.

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ニコニコ動画

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今回は,

 

 

あたりを話せたらいいと思っております.

 

 

 

1. この曲が思い浮かんだきっかけと方針

 

 自分の経験と感情で曲を作っている自分としては,このテーマは......曲に落とし込みやすい.いつかは何曲か作ると思っていた曲.そのうちの一つ目になる曲を,包み隠さず「母さん」という題で作成しました.

 

 この曲がどうしても作りたくなったきっかけは,プロセカと呼ばれるスマートフォンアプリ......ボカロ楽曲が詰め込まれた音楽ゲームのシナリオを読んだ時です.

 キーストーリーが毎月いくつか公開されるんですけれど,とあるキャラのシナリオだけ,毎度毎度苦しくなるんです.自分の生活してきた環境と合わさったことや,母親のセリフが自身のそれと一致してしまった時......たとえ人前でも息苦しくなってしまうほどつらいストーリーがありました.

 

 はたから見ても苦しいストーリーではあるんですが,自分の場合はPTSD(心的外傷後ストレス障害),前回のブログでも紹介した通り,ある種のフラッシュバックが起こしやすい体質なのです.そのストーリーを読んだ時もそうでした.

 

 プロセカのゲームストーリー内でもそうされているのですが......苦しくて,言葉にならないとき......思ってる感情じゃなくてもいいから,なにか「歌詞にする」というのは,自分の気持ちに整理する一つの手段です.

 

 自分の中でも,感情を芸術(作曲)に落とし込むというのが一番の手段だと思っています.

 

 

 

要するに,

 

ゲームのイベントストーリーを読んで,息苦しくなり......食欲もなくなりって状態の時に歌詞を書いた結果がこれで,せっかくなら一曲として完成させようって思ったってのが,この曲が生まれたった瞬間の話です.

 

この時すぐ思い浮かんだ歌詞はサビの部分に使われていて,どうしてこんなチョイスになったのかという話をもう少し後でしていきたいと思います.

 

 

 

 

歌詞の方針は,描こうと思った時の感情を整理しながら決めていきましたが,その時の自身が一番に思ったことを公開しますと

 

「母さんは母さんだ」

「嫌いかもしれない,好きじゃないかもしれない......それでも大切な人」

「家を出ろ,離れて暮らしたほうが身のため......そんなの身勝手.口出さないで」

 

そんな感じだったと覚えています.

 この気持ちになったのは,何度かあります.友人に,「家出た方がいいよ」と言われたとき,「そんなの毒親じゃん」って言われたとき.

 

友人の親切でした.

ただの.

 

私が母親に囚われている,目を覚まさせよう......そんなセリフにも感じました.

 

でも,とらわれているわけじゃないと思うんです.別に盲目なわけでもないと思うんです.DV彼氏と別れられないそれとは話が違います.

 

ただ,母親なんです

 

その時は何も言い返せずに終わりました.

 そんな感情に,きっかけがあった直後に襲われたのです.

 

Twitter ( X ) でそのゲームのストーリーの感想が口々に述べられていました.そこで友人と同じセリフが......しかもたくさんあったのです.

 ストーリー上では「母親だからすぐに解決できない」そういうスタンスだったはずなのに,プレイヤー視点で見ると展開が欲しいのか,はたまた単に心配なだけなのか......

 

「早く救われて」「親から逃げて」

そんな第三者視点のコメントがたくさん綴られていたのです.

 

「何も知らないくせに」

 

そう口にしたくなりました.

 

 

 

 

そこで

 

 誰に何と言われようとも 母さん

 

浮かんだ言葉をそのまんまの言葉を歌詞にしました.

 

 

2. 歌詞一つ一つの選択理由

 

 作るきっかけが生まれ,方針をきめてから,すぐにいくつかの歌詞が思い浮かびました.先ほども述べた通り,その部分のほとんどをサビに使用しています.

 

歌詞 (サビ部分)の説明をした後,肉付けしたその他歌詞を,どうしてこういう言葉選びにしたのかって話もしながら説明していきたいと思います.

 

< サビ >

いろいろなお母さんがいて,子供の数だけ呼び方も過ごし方もある.

他人には理解できない母親像でも,自分の中では母親だっていう主張.感謝や謝罪を実は述べたいという想い.そういうのを詰めました.

 

……否定的な言葉が多い(あまり環境のよくなかった子供目線?)が多いのは,他人に理解できない母親というものを表現しようとした「CHerNO3」という人間の深層心理かもしれない.不快に思ったらごめんなさい.

 

いろんな人,いろんなお母さんがいて.どれにも当てはまらなくてもなにかグッとくるものがあればいいなっておもってます.

 

 

私にとっての母親は 誰になんと言われようとも 母さん

>>これが一番のメッセージ.一番伝えたいこと.

 

母さん 私 期待には応えられません

>>たとえば両親から高学歴を強制されている人.本音を伝えたい人

   
ママ 僕は大人 にはなれないです

>>たとえば病気で 親孝行ができない人.共に生きたい人


母ちゃん いつもどこへ行くのでしょうか

>>たとえば家でいつもお留守番する人.ただ隣にいてほしい人

 

母さん 俺を置いていかないでください

>>たとえば離婚して見放されたと思う人.許してほしい人


お母さん 私 希望にはなれないです

>>たとえば母親の失敗を挽回すべくして育てられた人.認めてほしい人


母ちゃん いつもいつもほんまありがとうね

>>たとえば片親で働いてばかりの親をもつ人.頑張りたい人

 

このいっぱいの歌詞をふまえて

願望

お母さんのお弁当が食べたいな
一緒にお出かけがしたいな

 

他人にどういわれようとも,どんな関係であろうとも......

血がつながっていなくても
誰かが母を馬鹿にしようとも

 

夢みたいなただひとりごと.

希望

母さん  私愛されていますか

 

母さん僕は自慢の息子でしょうか
母さん私自慢の娘でしょうか 
産んでよかったって思ってもらえますか

 

これは母に対しての質問というよりは,自問自答

答えはたぶん知っているはず.

自分の知っている母親ならどういう答えを出すか.

 

願わしい返答が 得られなくても
憎むことしかできなくても
誰に何と言われようとも  母さん

 

許せなくたっていいと思う.許せない母親だっている.

認めたくない母親だっている?

 

それは違うと思うんです.みんな母親は存在していて

憎むも認められないも,好きも嫌いもあなたの母親でしかない

 

一人以上いて,もしかしたら二人いる人もいるかも.

それが母親なんです.周りと比べなくても,母親.

 

認められなきゃ母親になれないわけでもない.

ただ存在,概念として......生き物が生き物として過ごすうえで絶対に存在するモノ.

 

そんな母親への,本音の歌.

(もしかしたら母親視点でも楽しめるかも.)

 

 

ちなみに娘,息子と性別が固定されるような表現をしたのはあえてです.自分の性自認どおりの性別で親がみていても,みていなくても.

 

親目線でのその性別はきっと固定されていて.

 

......自認がどっちか,どうかなんて言うのは「愛されているか」という問題の中にあるから......親目線,子ども目線......都合のいいほうで読みとればいいと思って記入しています.

 

(これは当事者だからこその意見です.反論は聞きます.)

 

 

< Aメロ・Bメロ >

Aメロ・Bメロは基本的に韻を踏むことを意識しました.

1番と2番で揃えてみたり,Bメロ内で揃えてみたり.そういう言葉選びを一番にしています.

 

拝啓 生を与えた何某さん
送る言葉は ありがとう

 

たとえば小学校の時に書く卒業式の手紙.親への手紙は大体こんなだった記憶.

産んでくれてありがとうとか,そういう当たり障りないありきたりな言葉.

  

ありきたりの何が悪い
愛したいの愛が軽い

 

ありきたりの言葉ならべて上っ面ってよくいわれたけど,小さい頃は何もわからなかった.何が悪いの?って思っていた.

子どもから親への愛ってのは,正直軽いと思う.口だけの言葉は当然軽いでしょって.

 

そう思ってた,......いや今でも思ってる.

 

それでも   褒められたくて いい顔したくて  頑張ったの

 

愛してるとかわからなくても,親に褒められることほどうれしいものはなかった.

褒められたくて頑張った.

 

そんな小さいときの思い出.

 

 

拝啓 共に息づく何某さん
模する大人は 母上様

 

辛い話 分かち難い  互い違い会話しない

それでも 僕の.....

 

( どちらかというと ) 寡黙な男の人をイメージした2番.

言葉を交わしにくい,一番身近な異性に対し……本当は言いたい弱音があったり,遊びたかったり.

そんな感情とともに尊敬とか,思春期の裏にありそうな隠れた言葉を表現してみました.

 

私の頭の中の真面目そうな男子って感じ?目線の母親.口下手感?

 

まあでも正直2番は韻とか空気感優先だから,伝えたいことを優先していないです.

 

 

 

 

 

3. この曲で伝えたかったこと

 

最後改めて.

歌詞を書きながら,思っていた一番のことについて話します.

 

他人からどう見えたって,自分が母親だと思いたいか否か.どれだけひどい親でも,親と否定した時に苦しくなるなら......母親って思えばいい.母親っていうのは個人の人生で限られた人物でしかないから.

 

これがこの曲の全てです.

 

 

これが音でも伝わればいいなとはもちろん思っていまして.

 

たとえばメロディー.

いろんな楽器で主役を作ることで,すべての人,たくさんの目線で主役がいるっていうイメージ.

 

たとえば楽器チョイス.

低音金管楽器 ( ホルン下・トロンボーン系 )で支えることで,母親っていうしっかりしていそうみたいな雑い偏見を表現してみたり.

 

 

 

ユーモアがあったり,縁の下の力持ち感だったり.

技能不足もあって若干の不満はあるけれど,表現したいことは表現できたかなって思っています.

 

 

私が母に思う,いろんな感情.

他人に共感されることで,自分も,共感した人もあったかくなれるかなって思って作ったので,このブログを読んで,改めて聴いてみてくださると嬉しいです.

 

 

 

母さん / CHerNO3 feat. 重音テト 【Op.4】 - YouTube

 

 

 

 

次はボカコレ2024冬参加予定です!!